2026.05.31|KADASON
「毎日髪を洗っているのにフケが出る」「顔の赤みやカサつきが治らないのはなぜ?」と悩んでいませんか。肌の赤みや衣類に落ちるフケが、周囲から不衛生にみられていないかと、不安に感じる方も少なくありません。
そこでこの記事では、脂漏性皮膚炎を引き起こす根本的な原因や、悪化させる要因を詳しく解説します。また、症状が出やすい部位の特徴や、皮膚科で行われる一般的な治療法も併せて紹介します。
この記事を読めば、脂漏性皮膚炎のメカニズムを正しく理解できるので、繰り返す不快な症状の対策を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

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脂漏性皮膚炎は、特定の原因が単独で起こるのではなく、複数の要因が重なり合って発症します。主な原因として考えられるのは以下の3つです。
それぞれ解説します。
脂漏性皮膚炎の直接的な引き金となるのは、誰の肌にも存在するカビの一種である「マラセチア菌」が異常に増えることです。この菌は皮脂をエサとして好む性質があり、皮脂が豊富な場所で急激に増殖します。
マラセチア菌が皮脂を分解する過程で「遊離脂肪酸」という物質が生成されますが、これが皮膚に化学的な刺激を与え、炎症を引き起こすことがわかっています。菌そのものが毒性を持っているわけではなく、菌の代謝物が肌のバリアを破壊することが問題です。そのため、単に洗うだけでなく、菌の増殖を抑えるアプローチが不可欠となります。
ホルモンバランスの乱れや食生活によって皮脂が過剰に分泌されると、マラセチア菌に大量のエサを与えることになります。通常、皮脂は肌を保護する役割を果たしますが、分泌量が増えすぎると毛穴に溜まり、菌の温床となります。
思春期やストレスの多い大人の場合、男性ホルモンの影響で皮脂腺が活性化しやすくなります。
肌の乾燥によってバリア機能が低下することも、脂漏性皮膚炎を発症・悪化させる原因の1つです。肌が乾燥すると、皮膚はこれ以上の水分蒸発を防ごうとして、逆に皮脂を過剰に分泌させる「インナードライ」の状態に陥ります。
バリア機能が弱まった肌は、マラセチア菌の代謝物に対して過敏に反応し、激しい炎症を起こしやすくなるため注意が必要です。

脂漏性皮膚炎は、現れる部位によってその背景にある原因が微妙に異なります。ここからは、代表的な3つのタイプとその特徴について解説します。
頭皮や顔は全身の中で最も皮脂腺が密集しているため、マラセチア菌にとって最も増殖しやすい環境が整っています。頭皮は、髪の毛があることで湿度や温度が保たれやすく、さらに菌の活動が活発になりやすいのが特徴です。
鼻の周りや頬などは、皮脂の分泌と洗顔の摩擦という2つの刺激が重なり、炎症が起こりやすくなります。皮脂分泌が多い部位ほど、菌のコントロールを意識した専用のケアが求められるでしょう。
Tゾーンに症状が出る場合、洗顔料のすすぎ残しや、間違ったスキンケアによる皮脂の酸化が原因であることが多いです。
おでこや眉毛の間は、洗顔時に手が届きやすい反面、クレンジング剤や洗顔料の成分が残りやすい場所でもあります。残った洗浄成分や皮脂が酸化すると、それが直接的な刺激となり、脂漏性皮膚炎を誘発する可能性があります。
Tゾーンのトラブルは、毎日の洗顔を工夫するだけでも改善できる可能性があるため、見直しをしてみてください。
生え際に赤みやフケが集中する場合、整髪料の付着や、シャンプーの洗い残しがマラセチア菌の温床となっているケースが目立ちます。ワックスやスプレーなどの整髪料には油分が多く含まれており、これが生え際の地肌に付着すると、菌にエサを与え続けることになります。
生え際は汗をかきやすく、湿気がこもりやすいことも菌の増殖に拍車をかけます。鏡を見ながら、生え際まで丁寧に優しく洗えているか、すすぎが不十分ではないかを確認してみてください。

脂漏性皮膚炎は、年代によってその発症背景が大きく異なります。ここでは、以下の項目に分けて原因を解説します。
それぞれ確認していきます。
大人の場合は、ストレス・過労・睡眠不足・ビタミン不足といった生活習慣の乱れが、ホルモンバランスを崩し皮脂過剰を招く主な原因です。
一度発症すると慢性化しやすく、良くなったり悪くなったりを繰り返すのが大人の特徴です。大人の脂漏性皮膚炎対策には、薬による治療と並行して、生活の質を整えるアプローチが不可欠です。
赤ちゃんの脂漏性皮膚炎は、お母さんからのホルモンの影響で、一時的に皮脂の分泌が非常に活発になることが原因です。
生後1〜3ヶ月頃までは、まだお母さんのホルモンが赤ちゃんの体内に残っており、皮脂腺がフル活動しています。赤ちゃんの毛穴はまだ未熟で小さいため、大量の皮脂が詰まりやすく、黄色いかさぶた状のフケが頭や顔に現れます。
大人のケースとは異なり、ホルモンの影響がなくなる生後半年頃には、自然と治まっていくことがほとんどです。この時期は無理に剥がそうとせず、ベビーオイルなどでふやかして優しく洗うことが基本となります。乳児期の症状は成長過程の一時的な反応であるため、優しく清潔を保ちながら見守ってあげましょう。

症状がなかなか治まらない、あるいは急激に悪化する場合、以下のような外的・内的要因が潜んでいる可能性があります。
それぞれ詳しく解説します。
季節の変わり目や、紫外線、急激な湿度の変化といった外部環境は、肌のバリア機能を揺さぶる大きな要因です。春先の花粉や、夏の強い紫外線は皮膚にダメージを与え、炎症を増幅させます。
冬の乾燥は、皮脂の過剰分泌を招くインナードライを引き起こし、症状を長引かせることがあります。季節に応じたスキンケアなど、肌を取り巻く環境を一定に保つ工夫が必要です。
慢性的な睡眠不足や、脂質・糖質に偏った食事は、皮脂の質を悪化させ、炎症を助長する最大の内的要因です。
特に夜更かしは肌の修復時間を奪い、炎症の回復を遅らせます。また、アルコールの過剰摂取は血管を拡張させ、かゆみや赤みをダイレクトに強めることがあるため注意が必要です。
タバコなどの嗜好品も血流を悪くし、肌のバリア機能を低下させる原因となります。薬を塗っていても改善しない場合は、日々の生活習慣が治療の足を引っ張っている可能性が高いです。
脂漏性皮膚炎の方が控えた方が良い食べ物に関して、以下の記事で解説しています。併せて、ご覧ください。
脂漏性皮膚炎の方が食べてはいけないものって?控えるべき食べものや食事の改善ポイントを解説
一部のステロイド薬の長期内服や、特定のホルモン剤などは、肌のバランスを変える可能性があります。脂漏性皮膚炎の発症時期と、新しい薬の開始時期が重なっている場合は、医師への報告が推奨されます。
自己判断で薬を中断するのは危険なので、必ず主治医に相談してみてください。また、以前処方された古い塗り薬を勝手に使い回すことも、症状をこじらせる原因になります。
合わないシャンプーを使い続けることや、間違った洗髪方法は、頭皮の脂漏性皮膚炎を悪化させる最大の原因となり得ます。
洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮に必要な潤いまで奪い、防御反応としての皮脂過剰を招く可能性があります。爪を立てて洗う刺激や、不十分なすすぎも炎症につながる行為です。頭皮が赤くなっている時期は、刺激の少ない弱酸性かつ抗真菌成分配合のシャンプーへの切り替えを検討しましょう。
マラセチア菌の増殖を防ぐには、洗い流す力と皮膚を刺激しない低刺激成分が配合されたシャンプーが最適です。
以下の記事では、脂漏性皮膚炎はシャンプーで治るのかを紹介しています。併せて、ご覧ください。
脂漏性皮膚炎はシャンプーで治る?市販のおすすめや正しいシャンプーの使い方を詳しく解説
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脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の多い場所に発生することが多いです。
| 部位 | 特徴的な症状 |
| 頭皮 | フケが多く出る、かゆみ、地肌の赤み |
| 顔(Tゾーン) | 小鼻の脇や眉間の赤み、カサつき |
| 耳の周り | 耳の裏側や付け根の亀裂、じゅくじゅく感 |
| 胸部・背中 | 胸の中心や肩甲骨周りの環状の赤み |
| 脇の下・股間 | 摩擦が多い部位のじわっとした赤み・かゆみ |
これらの部位に共通しているのは、皮脂が多く、かつ湿気がこもりやすいという点です。
耳の周りや脇の下などは自分では気づきにくいことも多く、知らない間に症状が進行しているケースもあります。鏡でチェックする習慣をつけ、早期発見に努めましょう。

脂漏性皮膚炎は自然治癒が難しく、放置すると慢性化するため、早めに医療機関での治療を開始することが推奨されます。
治療の柱となるのは、原因菌を抑える「抗真菌薬」と、炎症を鎮める「ステロイド薬」の塗り薬です。マラセチア菌の活動を止めるためにニゾラールなどの抗真菌薬を使用し、赤みやかゆみが強い場合には一時的にステロイド薬を併用します。
ステロイド薬は怖がられることもありますが、医師の指導のもと適切に短期間使用すれば、症状の改善に有効な薬です。炎症が強い間はステロイド薬を使い、落ち着いたら抗真菌薬へ移行するのが一般的な流れです。
菌の増殖を抑え、炎症を鎮静させることが、再発を繰り返さないための標準的な治療戦略となります。
外用薬だけでは改善が不十分な場合、皮脂の代謝を助けるビタミン剤やかゆみを抑える抗ヒスタミン剤が処方されます。
ビタミンB2・B6の内服は、皮脂分泌のコントロールをサポートし、皮膚の粘膜を丈夫にする働きが期待できます。かゆみが強くて寝ている間に掻き壊すような方には、かゆみをブロックする飲み薬が効果的です。

治療後の再発を防ぎ、健やかな肌を保つためには、以下に挙げたような日々のセルフケアが何よりも大切です。
それぞれ具体的に解説していきます。
皮脂を適度に落としつつ、肌を傷つけない優しく丁寧な洗浄をマスターしましょう。洗顔はたっぷりの泡で肌を包むように洗い、決してゴシゴシ擦らないよう注意します。
洗髪も同様に、指の腹で頭皮を優しく揉み洗いし、ぬるま湯で時間をかけて念入りにすすぐことが重要です。すすぎ残しは菌の繁殖を招く最大の敵となります。
食生活では、ビタミンB群を豊富に含み、脂質・糖質を控えた食事を意識しましょう。レバー、納豆、鶏肉、青魚などを積極的に摂り、皮脂の代謝をスムーズにします。糖分・脂肪・アルコールなどは炎症を再燃させる恐れがあるため、控えめにすることが賢明です。
十分な睡眠を確保し、ストレスを溜め込まない生活リズムを作ることが、ホルモンバランスの安定につながります。
自律神経が整うと皮脂腺の暴走が収まり、マラセチア菌が増えにくい環境が自然と作られます。ウォーキングなどの軽い運動や入浴などでリラックスする時間を持つことも、間接的に肌の状態を良くしてくれます。
頭皮のベタつきが消えない場合は、ミコナゾール硝酸塩などの抗真菌成分が配合された専用シャンプーに切り替えてみましょう。
普通のシャンプーでは落としきれない菌の増殖を、毎日の洗髪で効率よく抑えることが可能です。使用感には個人差がありますが、フケやかゆみを繰り返す方にとっては非常に心強い味方となります。
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脂漏性皮膚炎に関するよくある質問を3つ紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
脂漏性皮膚炎は人にうつる病気ではありません。
原因となるマラセチア菌は誰もが持っている常在菌であり、特定の条件下で自分の肌で増えすぎただけです。家族や友人に感染させる心配はありませんので、過度に気にする必要はありません。
症状が出ていない時は普通のシャンプーでも構いませんが、再発しやすい方は低刺激なものを選ぶ方が安全です。
洗浄力が強すぎるものは避け、アミノ酸系などの優しく洗えるタイプを選ぶようにしましょう。赤みやかゆみが出始めたら、すぐに抗真菌成分配合のシャンプーに切り替えるなど、柔軟な使い分けがおすすめです。
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炎症が起きている時期は、パーマやカラーリングは避けるのが賢明です。薬剤の刺激が傷んだ皮膚にさらなるダメージを与え、脂漏性皮膚炎の症状をさらに悪化させる恐れがあります。症状が完全に落ち着き、医師から許可が出てから楽しむようにしましょう。

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この記事では、脂漏性皮膚炎の原因に関して詳しく解説しました。
脂漏性皮膚炎の主な原因は、マラセチア菌という常在菌の異常増殖とそれを支える過剰な皮脂分泌、そして肌のバリア機能の低下です。生活習慣の乱れやストレスがこれらを加速させ、慢性的な赤みやかゆみを引き起こす恐れがあります。
改善のためには、抗真菌薬などの適切な医療的ケアと併せて、正しい洗浄習慣や食生活の見直しといった内側からのアプローチが欠かせません。原因を正しく把握し、1つひとつの要因を取り除いていくことで、再発しにくい健やかな肌を取り戻すことが可能です。
まずは日々の生活の中でできることから改善を始め、自信の持てるなめらかな肌を目指しましょう。
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記事監修医プロフィール院長 / 小林 智之
大学病院にて皮膚科領域や形成外科、救急など修練するうち、目に見える多くの疾患が治癒していく経過を確認できることに魅力に感じ専攻いたしました。
しかし、一般皮膚科だけでは改善しないお悩みに直面し、皮膚科診療と並行しながら美容皮膚科を学びました。
これまでの経験を活かし、当院の特徴である、多角的方面から疾患やお悩みを改善できるクリニック、まさしく小さなお子様から皆様のお肌のホームドクターを目指したいと思っております。
お肌のお悩みは女性も男性も同じだと思いますので、お気軽にご相談ください。